店頭のディスプレイ用トルソーに締めるネクタイの結び方を、最近ダブルディンプルに変えました。
それまでは、プレーンノットにディンプルをひとつ作る、シンプルな結び方をずっと使っていました。ベーシックで、誰にでも馴染みやすく、スーツの邪魔をしない――まさに「王道の安心感」がありました。
ですが、ある時写真を撮っていて、ふと気になることがありました。
それは、結び目からふわっと広がるネクタイの左右のエッジラインが、ネクタイの厚みや芯地の違いによって微妙に変化してしまい、思ったような統一感を出すのが意外と難しい、ということです。


↓の画像はプレーンノットのディンプル一つの結び方輪郭がバラバラです


そこで、試しにダブルディンプルを使ってみたところ、思わぬ発見がありました。
プレーンノットとは違い、ダブルディンプルではエッジの折り返しが正面に向かって自然に出てくるため、輪郭に立体感が生まれる。それが写真越しでもとてもきれいに伝わるのです。

↓の画像はダブルディンプルの結び方で結び目からの広がりがある程度一定なのがお分かりいただけるかと思います。

この小さな違いが、Vゾーンの印象を大きく変えてくれることに気づきました。
スーツそのものだけでなく、「どう見せるか」「どう締めるか」までを含めて“仕立て”だと思っています。

写真を通して気づいたネクタイの表情。
それ以来、当店ではダブルディンプルを店頭ディスプレイの基本としています。


「もしご自宅でネクタイを締める機会があれば、ぜひダブルディンプルを試してみてください。いつもより少しだけ、Vゾーンが誇らしげに見えるはずです。」