恐ろしいほど、綺麗に立つ。
そんな表現をしたくなる、特殊な襟型のオーダーシャツが仕上がりました。
こちらの襟型は、一般的に「イタリアンカラー」と呼ばれる襟です。

クールビズやノーネクタイの季節になると、シャツ一枚で過ごす時間が増えます。
その時に意外と差が出るのが、シャツの襟元です。
同じ白シャツやサックスブルーのシャツでも、襟が綺麗に立っているか、くたっと崩れているかで、見え方は大きく変わります。
今回ご紹介するイタリアンカラーシャツは、ただ第一ボタンを外して着るシャツではありません。
最初からノーネクタイで美しく見えるように、襟元の構造そのものが考えられたシャツです。
目次
イタリアンカラーシャツとは
イタリアンカラーとは、ノーネクタイで着用した時に襟が自然に立ち上がり、首元が綺麗に開くように設計された襟型です。
通常のドレスシャツは、ネクタイを締めることを前提に作られています。
そのため、第一ボタンまで留めた時に首元が綺麗に収まり、ネクタイを締めた時に襟が安定するように設計されています。
一方でイタリアンカラーは、ネクタイを締めるための襟ではなく、ノーネクタイで着た時に完成する襟型です。
第一ボタンを外した時、または最初から襟元を開けた時に、襟が潰れず、すっと立ち上がる。
ここが大きな特徴です。

通常のシャツと何が違うのか
イタリアンカラーシャツの特徴は、見た目の印象だけではありません。
通常のシャツとは、襟の形だけでなく、前中心の作りやボタン位置、パーツ構造にも違いがあります。
大きく分けると、以下の4つです。
1つ目は、前中心の襟ぐりの作りです。
2つ目は、前身頃に張りを持たせる構造です。
3つ目は、第一ボタンの高さです。
4つ目は、襟のパーツ構造です。
順番に見ていきます。
1. 前中心の襟ぐりが通常のシャツと違う
通常のシャツは、襟が首に巻きつく必要があります。
そのため、正面の喉元にあたる部分は、前中心に向かって上方向、つまり顔の方へぐっと上がるようなカーブを描きます。
ネクタイを締める場合、この構造は非常に理にかなっています。
第一ボタンを留め、ネクタイを締めた時に、襟が首元をしっかり支えてくれるからです。
しかし、ノーネクタイで第一ボタンを外すと、この前中心の上がった部分が余りやすくなります。
その結果、襟元がくたっと落ちたり、クシャッと崩れたりすることがあります。
もちろん、それが悪いわけではありません。
その少し崩れた雰囲気を、ノータイシャツならではの色気やリラックス感として楽しむ考え方もあります。
ただし、ビジネスシーンやクールビズで「きちんと見せたい」と考える場合は、襟元が崩れすぎると、少しだらしなく見えてしまうこともあります。

イタリアンカラーは、この余りやすい部分を最初から整理するように設計されています。
通常の襟ぐりが首を囲うようなU字的な構造だとすれば、イタリアンカラーは前中心へ向かってV字に落ちるような構造です。
前中心がぐっと下に下がることで、ノーネクタイの時にくたっと落ちる余分な距離が少なくなります。
だから、襟がすっと綺麗に立ち上がるのです。
2. 前身頃に張りを持たせる構造
イタリアンカラーシャツは、襟だけでなく、前身頃の作りにも特徴があります。
通常のシャツにはあまり見られない構造ですが、正面に張りを持たせるために、見返しのような芯を貼ったパーツが裾付近まで入る場合があります。
これにより、襟元から前中心にかけてのラインがより安定します。

襟だけが立つのではなく、前身頃側がしっかり支えることで、首元全体がピシッと見えるのです。
ただし、この仕様には注意点もあります。
白や淡い色のシャツの場合、シャツ一枚で着た時に内側のパーツが透けて見えることがあります。
そのため、オーダーで仕立てる際には、仕上がりの美しさだけでなく、透け感についても事前に確認しておくことが大切です。
特にクールビズでジャケットを脱ぐ機会が多い方には、この点をしっかりご説明した上でおすすめしています。
3. 第一ボタンの位置がノータイ前提で設計されている
通常のシャツは、第一ボタンから下のボタンまで、全体のバランスを考えて配置されています。
そして基本的には、第一ボタンまで留めてネクタイを締めることを前提に設計されています。
一方、イタリアンカラーはノーネクタイで着ることを前提とした襟型です。
そのため、第一ボタンの位置も、首元が綺麗に開くことを優先して考えられています。
開きすぎるとカジュアルになりすぎます。
反対に詰まりすぎると、せっかくのイタリアンカラーらしい軽やかさが出ません。
この第一ボタンの高さが絶妙だからこそ、ノーネクタイでも上品な開き具合になります。
ジャケットを羽織った時にも、首元に綺麗なVゾーンが生まれます。
4. 襟羽根と台襟が一体的な構造になっている
通常のドレスシャツの襟は、多くの場合「襟羽根」と「台襟」というパーツに分かれています。
台襟が首を支え、その上に襟羽根が折り返される構造です。
この作りは、ネクタイを締めるシャツには非常に適しています。
襟元がきちんと固定され、シャープな印象になります。
一方で、イタリアンカラーは襟羽根と台襟が一体的につながるような構造になっています。
そのため、見た目にも柔らかさがあり、通常のドレスシャツよりも少しスポーティな雰囲気が出ます。
パリッと折り返すというより、襟が自然に立ち上がり、流れるように開いていく。
この柔らかい立体感が、イタリアンカラーシャツの魅力です。
クールビズにイタリアンカラーシャツが向いている理由
クールビズでは、ネクタイを外すだけでなく、ジャケットを脱いでシャツ一枚になる場面も増えます。
その時、普通のシャツをただノーネクタイで着ると、首元が少し寂しく見えたり、襟が潰れて見えたりすることがあります。
イタリアンカラーシャツは、最初からノーネクタイで成立するように設計されています。
襟が綺麗に立ち、首元に立体感が出るため、シャツ一枚でも印象が締まります。
また、ジャケットを羽織った時にも、襟元の開きが自然で、涼しげでありながら上品に見えます。
ビジネスカジュアルやクールビズの装いにおいて、イタリアンカラーは非常に相性の良い襟型です。
普通のシャツの第一ボタンを外しただけでは出せない雰囲気
イタリアンカラーシャツの魅力は、普通のシャツの第一ボタンを外しただけでは出せないところにあります。
通常のシャツは、あくまでネクタイを締めることを前提に設計されています。
それに対してイタリアンカラーは、ノーネクタイで着た時の襟元の見え方を最初から考えています。
前中心の襟ぐり。
第一ボタンの高さ。
襟と身頃のつながり。
前身頃の張り。
こうした細かな違いが重なることで、襟がすっと綺麗に立ち上がります。
一見すると小さな違いですが、着た時の印象は大きく変わります。
まとめ
イタリアンカラーシャツは、ノーネクタイで美しく見えるように設計された襟型です。
通常のシャツとは異なり、前中心の襟ぐりを下げることで、襟元に余分なたるみが出にくくなります。
さらに、第一ボタンの位置や襟のパーツ構造、前身頃の張りによって、襟が自然に立ち上がるように作られています。
クールビズやビジネスカジュアルでは、シャツの襟元が印象を大きく左右します。
ネクタイを外しても、きちんと見える。
シャツ一枚でも、だらしなく見えない。
ジャケットを羽織っても、首元が美しく見える。
そんな一枚をお探しの方には、イタリアンカラーのオーダーシャツがおすすめです。
クールビズのシャツこそ、襟で差が出ます。